自己破産について
自己破産とは?
自己破産とは、裁判所で支払いが不可能であると認められて、免責が許可されると、借金をゼロにすることができる債務整理の手続きです。
借金をどうしても返済することができず思い悩んでいる方に、人生を再スタートしてもらうための救済措置です。
自己破産をすると「普通の人生が送れない」「会社を解雇される」「年金が受給できなくなる」など、多くの誤解を持たれていますが、実際には自己破産後の生活で制限を受けることはほとんどありません。
自己破産のメリット・デメリット
メリット
- 借金が原則として全額免除されます。
- 自己破産に限りませんが、弁護士に債務整理のご依頼をいただいた時点で、貸金業者等からの督促や取り立てから解放されます。
- すべての財産を処分されるわけではないので、生活をするのにすぐに困ることはありません。
- 収入についての制限がありません。裁判所が認めれば、誰でも自己破産をすることが可能です。
デメリット
- 資産価値の高いマイホームや高級車、大型電気製品などの財産は処分されます。
- 免責手続きが終わるまでの間、保険外交員、警備員、宅地建物取引主任者など、一定の職業に就くことができなくなります。
- 約10年間は金融機関のブラックリストに載るので、その期間中はクレジットカードを新たに作ったり、ローンやキャッシングを利用することができません。
- 官報に、住所や氏名などが記載されます。ただし、一般の方が見る機会はほとんどないでしょう。
- 本人は自己破産をしても、保証人は返済する義務があるので、保証人のもとに請求がいきます。
自己破産の流れ
裁判所で免責許可を得るためには、膨大な書類を作成したり、煩雑な手続きがありますが、弁護士に依頼すると、それらを代行することができます。
受任通知書を発送
弁護士が受任したことを通知する書面を債権者へ送ります。通知が届いた時点で、債権者からの督促や請求がストップします。
裁判所に申し立てる
弁護士が依頼者の方からのヒアリングや資料をもとに、自己破産手続きを開始するための申立書を作成します。管轄の地方裁判所に、申立書を提出します。
破産手続き開始決定と管財人の選任
裁判所が申し立て書類を審査した上で、破産手続きを始める決定を出します。破産手続きでは、破産申し立てについて中立の立場で判断する管財人を付けられる場合があり、その際は20万円程度、債権者の数によってはそれ以上の額を裁判所に納めることが必要となります。
裁判は、基本的に裁判官が申し立て書類をもとに判断しますが、裁判官が事情を質問するために裁判所に呼ばれることもあります。その場合は弁護士が同席し、依頼者の方をフォローします。
裁判所による免責決定・確定
破産手続きの開始決定だけでは、借金はなくなりません。裁判所から免責許可決定が出されて、はじめて借金の責任を免れることができます。免責許可決定後、約1ヶ月で免責許可決定が法的に確定します。
官報に公告
国が発行している機関紙「官報」に自己破産の情報が掲載されます。破産手続きをした日時、住所、氏名が記載されますが、一般の方はほとんど見る機会のないものであるため、官報により自己破産を知られる可能性は低いといえます。